お向かいの怪
いや、怖い話ではないのですが(笑)。
私は家で仕事しているわけですが、住宅地なのもあって昼間は人通りもまばらです。誰も在宅していないのかといえば、そんなことはないです。逆に皆さんご在宅のようです。
生息されてますが、姿は見えないのです…住人皆レアポケモン説があったりなかったり(笑)
多分ご年配の方が多いからでしょうね。
引っ越してきてから3年ほどになりますが、その間割と毎日静かだったのです。
そう、あの日までは……。(だから怖い話じゃない笑)
なんの工事?
あれは3月だったか(うろ覚え)なんだか外が騒がしく、なにやってるのかなぁと思っていました。
しばらくして外を覗いてみると、お向かいさんのお家にトラック数台と作業服を着たおにーさん方が沢山いらっしゃいました。
そうです、こうして始まるのです。
子育てスズメとお向かいさんの工事とのWの悲劇(騒音)が!!(スズメほんと勘弁してほしかった)
外壁工事?
工事が始まったとき、一体どこを工事されるのかよくわかりませんでしたので、外壁工事かな?壁でも塗るのかな??と思っていました。
ところが、足場が組まれることはなさげ。
そうしたら、突然でっかいばっきばきの音がしたんですよ。
いつもはシーンとして、廃品回収のトラックうるさいな~くらいのほのぼのとした日常だったのに、それが破れる音、この世界が壊れる音が。かなり盛ってますW
そういえば、2018年にそこのお宅は壁を塗り替えられてましたね。今思い出しました(マクゴナガル先生風で)。
その時は確か箱ティッシュひと箱片手に、お向かいの奥様が工事するので~とご挨拶に来ていただいたのでした。その時の工事は全く問題なく、気づいたら終わっていました。そういつのまにか、だから忘れていました(笑)。
が、今回の工事はご挨拶もなく、ただひたすら続くのです。
あの、多分、きっと逆ですよ。対応。うん。
終わらない
最初はシャッター付きの物置(家の一部)から、まずシャッターが取り除かれ、次いで壁ができ、外に出入りできるドアがつけられました。
この時点では、なるほど物置を部屋に改築なのかと思いました。
外壁を作ったあと内部工事をされていましたが、これがまた終わらない終わらない。
5月になっても、6月になっても7月になっても……。
スズメは子育てをお隣の軒下で始めてしまい、早朝4時過ぎから19時あたりまで秒間隔でずっと鳴いています。
お向かいの工事は、なんとうちの前の道路でその日使用する分なのか、頻繁に材木を切り出し始めました。材木問屋でもあるのかと思うほどそれはずっと続き……。
現場で使う材木って、サイズを測って切り出して持ってきて、現場で合わせるのではないのでしょうか。
朝9時前から18時頃までずっと材木を切る音や、トンカン、ガーッと工事の音が響いて、さすがに数ヶ月経ったあたりでイライラし始めました。
一体いつまでかかるのか?
なんと!!
現在10月ですが、まだ終わっていません!
千葉の台風被害
なぜ、部屋をひとつ増築(改築?)するだけで、こんなにも時間がかかるのでしょう。
私を悩ませていたスズメは、7月あたりで静かになりました。
巣立ちをしたのでしょう。こっちも本当にうるさかった……(涙)。
ファーブル(昆虫記を書いた人)が昆虫は本にするほど好きだったけど、生き物全般が好きなわけではなく、とりわけ鳥が嫌いで撃ち落としていたという話を聞いたとき、マジで?!と思いましたが、いや、人として間違っているよ?と思いましたが! あの期間に限り、ファーブルを支持できる気がしないでもないくらいです。
それはさておき、なぜこんなにかかるのか。
お向かいの方も朝のご挨拶で、すみません…と申し訳なさそうに言われるようになりました。
千葉の被害状況をニュースで知って
令和元年9月8~9日にかけて、台風15号が関東を襲いました。
このとき千葉はかなりの被害を受け、空撮による映像に映る住宅の屋根は、ほぼ同じブルー一色になりました。
屋根が損壊しているので雨が振り込まないように、ブルーシートで屋根を覆うからです。
次の日も次の日も、報道されるたびにその風景は変わらない。
一時しのぎであるはずのそのブルーシートが、何日も何日もそのまま屋根を覆っているのです。
なぜか。
作業をしてくれる職人がいないからだそうです。
そもそも、ブルーシートで屋根を覆ってくれる方を探すのも大変だったとか。
それにつけ込んだ詐欺も横行していると聞きました。非常に腹立たしいですね。
泣きっ面に蜂じゃないですか。天災の次は人災ですか? 酷すぎる。
職人がいない
その昔、正社員じゃなくてもフリー(アルバイト)でもいいじゃないか!というか、会社も正社員雇用しないほうがなにかといいよね!という時期がありました。
期限がある雇われ方なので仕方がありませんが、転々と仕事を変えていく。そういう人たちをフリーターと、さもそれが職業のように呼ぶ。
必然的に技術は受け継がれる暇もなく、技術を持った人たちそのものが定年を迎え仕事を辞めていく。
後に残るのは技術を受け継がなかった人々。
ひと言でいうならば、若手が育っていないということです。
それが、今回の台風被害で露骨に私たちの生活を直撃しているのです。
「ブルーシートで屋根を覆ってもらえて、本当に良かった。これで職人探しに半年はかけられる」
こうおっしゃっていた住人の方がいらっしゃいました。
職人さんがいないから、屋根を修復してもらうのに半年以上かかるということです。
以前ならこんなこと考えられない話でしたよね。
そして確かにお向かいさんも、職人さんは常時一人しか見ない日が多いのです。
お向かいの怪は日本の怪なのかも
日本は技術をもった人が沢山いて、資源がなくとも海外になんら引けを取ることはない。
私はそう思ってきました。
ですが、もしかしたらその技術ですら、近年怪しくなっていっているのかも。
そう考えると、お向かいの工事が半年以上かかっているのも納得だし、そして怖くなります。
取り立てて資源もない日本が技術を手放したとき、そこには何か残るものがあるのだろうか。
世界と取引できるものが何か。
普段何気なく過ごす、この生活水準は一体いつまで保たれていくのでしょうか。ちょっと冷や汗でそうです。
身体が動くうちに、対策を練っておくのがいいかもしれません。